消え残る半身
2007.07.27


私の半身がどこへ消えたのか尋ねると、

誰もが口を揃えて「夢と共に消えたのだ」と返す。

誰もが「まだ残っているのだから、良いではないか」と諭す。

私はそれを聞いて、少し、ほんの少しだけ安堵する。

皆のようにすべてなくしたわけではない、という、脆弱な希望にすがる。

残った半身の行く末を描きながら、「夢」が何であったか思い出せずにいる。


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